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文:趙怡華(台湾サブカルチャーウォッチャー)
東京では12月中旬を過ぎると、街中はイルミネーションなどクリスマスらしいデコレーションでいっぱい。ケーキを予約したり、イブは誰とどんなふうに過ごすかの話題で盛り上がったり、スーパーでは、クリスマスらしい食べ物のオンパレード。BGMまでクリスマスソングで、クリスマス気分一色です。
ところが、そんな気分で台湾に行くと、台北のような大都市はともかく、それ以外の場所では、クリスマスの雰囲気はあまりなく、日本人的な年末感に欠けています。
「ちょっと寂しいな」とは台湾在住の日本人の友人の嘆き。実は、台湾ではクリスマスではあんまり盛り上がらないんです。クリスマスに台湾人がやることといえば、友人同士でのクリスマスカード()の交換ぐらい(台湾では年賀状の習慣はありません)。
恋人同士が素敵な雰囲気なレストランでディナーを楽しんだり、家族が揃ってローストチキンやクリスマスケーキを食べたり、なんてことも特にしません。子供もサンタクロース(華語では聖誕老人)の存在などあまり気にしていないようです(もちろんプレゼントをもらえば嬉しいんでしょうけど)。
ちなみに、台湾では1月1日、日本でいえば元日も、日本ほど重視されませんね。むしろ旧正月のほうが、日本の元日に近いイメージなんです。
とはいいながらも、最近では、西暦の年末年始に、台湾人が楽しみにしているイベントが開かれるようになりました。
それが、国民参加型のカウントダウンイベント・跨年です。
よく大晦日の紅白歌合戦の最後に、世界各地のカウントダウンイベントの風景が映しだされますよね。台湾代表としてすっかりお馴染みの風景になったのが台北101ビルの花火です。
2007年にドバイのブルジュ・ハリファが完成されるまで世界一の超高層建築だった台湾101ビル。ここでは、04年以降、毎年大晦日の夜12時に年越し花火が打ち上げられます。このカウントダウンイベント、単に台湾人が楽しみにしているイベントというだけではなく、主催権をどの企業がいくらで落札したのかが、翌年の経済のバロメーターとしても注目されているんです。
このようなカウントダウンイベントは台北だけではなく、各地で行われており、どこの会場でも花火を打ち上げたり爆竹を鳴らしたりで、年末気分を盛り上げています。しかし101ビルからの花火はやはり別格で、例年、多くの台湾人が、周辺に集まり、何時間も前からいいスポットをめぐって席取り合戦が繰り広げられます。この日だけは、台北MRTは終日運転となり、参加者にとって便利なんですよ。
各地のカウントダウンイベントのほとんどは地方政府主催で、その地方政府の市・県長が人気アーティストと同時に参列して、挨拶しつつ実績をアピールしたり、翌年の抱負を語ったりして、次の選挙に向けて布石を打っています。政治家にとっては好感度を倍増するチャンスで、より身近に政治を感じさせる台湾ならではのパフォーマンスですね。
カウントダウンイベントの翌日、つまり元旦、総統府の前で行われる国旗掲揚式・も定番のイベントの一つです。花火、カウントダウン、それから国旗掲揚式が一通り終われば、西暦のお正月もこれで終了。ほとんどの人が3日からお仕事に復帰します。
台湾人は、そこから旧正月に向けて、徐々にお正月気分を盛り上げていくのです。2回も違う雰囲気のお正月を味わえることができるなんて、台湾人はなんてお得!
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